和服を美しく着こなす3つのポイント
和服のこだわりを語りだすと止まらない。という人も
世の中にはたくさんおられます。
美を追求したからこそ、
深く多くのことを語ることができるのだと思います。
その一方で、あまりに細かいこと長々とお話してしまうと
気軽に楽しみたい方にとっては、
「いろいろと決まり事が多すぎてシンドイわ」と。。
人それぞれの好みがあって、個性を活かして
お着物を楽しむことも大切ですね。
日本文化・伝統文化の衰退。なんて言われていますので、
ぜひ若い方々に着物を知ってもらい、
「個性豊かに楽しく着こなしたい!」
と思っていただけたら幸いです。
そしてやはり、個性を活かすためには、
和服の美しさの「イロハ」を知ることも大切です。
前置きが長くなりましたが、
もっと着物を好きになって楽しんでいただけたらと思い、
和服を美しく着こなす3つのポイントをご紹介します。
まず一つ目のポイントは「帯」です。
着物と帯の色柄合わせ。
組み合わせ次第で、全く違う「美」を演出できます。
最近ですと、カラーコーディネータという職業もあり、
その人それぞれの肌の色や顔・形によって、
合う色、合わない色というものがわかるそうです。
ご自身に合うお色で、しかも着物とも相性が良いもの。
この組み合わせを決めるのが少し難しく、そして楽しいところ。
帯の結び方
同じ着物と帯であっても「結び方」が違うと、
全く違う印象になります。
もっとも基本的な「太鼓結び」や「文庫結び」。
振り袖だと帯が長くなりますので「花結び」のように
複雑な折り紙のような結び方があります。
また茶会や茶事、パーティなどに行かれる場合は、
主催者(主人)や、他の来賓・来客の趣味好み、
それから場のテーマに合わせて色・柄・結び方を
選べるようになると、きもの上級者ですね。
衿の打ち合わせ
衿元の美しさは奥が深いです。
好みだけでなく、着物の柄・半衿の柄・髪型のセットなども
関係して、着姿(全体の印象)の美しさを演出します。
ただ、どんな着こなしでも共通しているのは、
着物のV字と半衿のV字が左右対称になり、
正面から見ても、斜め横から見ても、
安定して整った状態であることです。
着物の初心者の場合、「半衿が何センチ出るように!」と決めてしまいたいかもしれませんが、突き詰めれば、ご自身に合う色・柄・体型などで、魅力的に見えるように調整しましょう、ということだと思います。
美しい打ち合わせが決まったら、「長襦袢は1度着付けができたら、絶対に触るな」と昔から言われるように、あまり頻繁に打ち合わせ触ったり調整するというのはよろしくありません。お着物全体がズレてしまったり、白い半衿に手垢がついてしまいます。
当社の衿美は、前の打ち合わせにテープがありますので前の打ち合わせが気になるという方は、是非試されてください。
「うなじのくりこし」は"おもてなし"
うなじのくりこし具合は、狭すぎず広すぎず。
美しいうなじラインは、見るものを惹きつける大切なポイントですね。
昔、繰り越しは5分位でしたが、徐々に大きくなってきているように感じます。
また、地域・流派によって繰り越し具合は異なります。
。
花嫁衣装の場合は、2寸前後が多いですね。
一般の方は、京都の芸妓さんや舞妓さんは、繰り越しを大きくして、うなじを見せているという印象がありますが、実は日頃は7分ほどで清楚な着姿をされています。正式な行事の際には、うなじがしっかりと見えるように繰り越しを大きくし、華やかな着姿をされています。
このように行事やシーンにご一緒される方によって、繰越をうまく使いこなすことで、おもてなしを演出することができますね。
当店では、通常は調整しやすいように1寸の繰り越し寸法を取り、衣紋抜きで調整いただけるように仕立てております。
もし繰り越しを大きくしたいという方は、事前にくりこし寸法は1寸5分前後で仕立てると、ズレにくい美しい着姿を保つことができます。